反応の平衡定数が小さい場合、その平衡は反応物側に有利になります。このようなKcの値が小さな反応では、反応物の初期濃度が高い場合には、濃度の変化が無視できるほど小さくなる場合があります。このような状況では、平衡濃度はその初期濃度にほぼ等しいです。 この推定は、いくつかの平衡濃度が初期濃度に等しいと仮定することで、平衡計算を簡略化するために使用することができます。ただし、この仮定をするためには、弱酸または弱塩基の濃度変化、つまりxが初期濃度の5%未満でなければなりません。もしxが5%以上であれば、二次式を使って平衡方程式を解く必要があります。
代数的に単純化した仮定による平衡濃度の計算
HCNの0.15 M溶液の平衡濃度はいくらでしょうか?
xを用いて平衡時の各生成物の濃度を表すと、このICE表のようになります。
HCN (aq) | H+ (aq) | CN− (aq) | |
初期濃度 (M) | 0.15 | 0 | 0 |
濃度変化 (M) | −x | +x | +x |
平衡濃度 (M) | 0.15 − x | x | x |
平衡濃度の項をKcの式に代入します。
二次式に変形してxを解く。
したがって、[H+] = [CN–] = x = 8.6 × 10–6 M、[HCN] = 0.15 – x = 0.15 Mとなります。
この場合、濃度の変化は初期濃度よりもかなり小さく(Kが小さいため)、初期濃度の変化は無視できることに注意しましょう。
この近似を用いることで二次方程式を解く必要がなくなり、より簡便に計算することができます。
計算されたxの値は、実際には、初期濃度よりもはるかに小さいです。
となり、近似が正当化されます。この単純化された手法によって仮定を満たさないxの値が得られた場合は、近似値を使わずに再計算する必要があります。
上記の文章は以下から引用しました。 Openstax, Chemistry 2e, Section 13.4 Equilibrium Calculations.
章から 14:
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